労働社会保険への適正な加入は、従業員が安心して働ける環境を作る上で必要不可欠なものです。加入手続きを怠ると、従業員が労働災害や失業、病気、ケガ、定年後の年金などによる重大な不利益を受ける可能性があります。また、CSRやコンプライアンスの観点からも、重要な課題となっています。

しかし、制度の複雑化に伴い、労働社会保険の手続きは煩雑なものとなっています。書類作成に時間を費やすだけでなく、年度更新や算定基礎業務には専門的な知識が必要であり、誤りがあると追徴金や延滞金が発生する可能性もあります。

こうした課題を解決するために、社労士が登場しています。社労士は、労働社会保険の手続きを代行することで、経営者や人事労務担当者の負担を軽減し、時間や人件費を削減することができます。また、専門知識を活用することで、正確かつ迅速な手続きを行うことができます。

従業員の福祉を守るためにも、企業は労働社会保険の適正な加入を心がけるべきです。そして、社労士のサポートを利用することで、煩雑な手続きから解放され、スムーズな運用を実現することができます。

私たち社労士は、企業経営の3要素である「ヒト、モノ、カネ」の中でも、「ヒト」が最も重要な要素であり、「ヒトを大切にする経営」が労働者が働きやすく、生産性の高い職場、そして良好な企業成績を実現するための基盤だと考えています。

社労士は、このような「ヒトを大切にする経営」を実現するため、良好な労使関係を維持するための就業規則の作成・見直しを支援しています。

また、人事・労務管理の専門家として、賃金制度の構築に関するアドバイスや、個々の職場に合わせたきめ細やかなアドバイスを提供し、労働者の皆様が納得して能力を発揮できる環境を作り上げるために尽力しています。

日本では、「国民皆年金」という制度があります。原則的には全ての人が年金制度に加入することになっていますが、法改正のたびに制度が複雑化しています。

障害年金や遺族年金といった一般的に知られている老齢年金以外にも、離婚時の厚生年金保険の分割制度などがあることは、あまり知られていないかもしれません。

しかしながら、「知らない」「分からない」という理由で、本来受けられるはずの年金を受けられないことがあるため、社労士は国民の皆さまの年金に関する権利を守るため、ご相談に応じています。

私たちは公的年金に関する唯一の国家資格者であり、複雑な年金制度をわかりやすく説明し、皆さまの年金についてご理解いただき、必要に応じて各種の事務手続をお手伝いすることで、年金に関するワンストップサービスを提供しています。

労働に関するトラブルが生じた場合、裁判を考える方が多いかもしれませんが、裁判には費用や時間がかかる上に、公開されることで双方に不利益が生じる可能性があります。そこで、ADR（Alternative Dispute Resolution）が注目されています。ADRは、裁判に頼らず、当事者同士が話し合いに基づいて紛争を解決する手続きで、仲裁や調停、あっせんなどがあります。

ADR代理業務は、特定社労士が行うことができます。特定社労士は、当事者の話を聴きながら、専門的な労務管理の知識を活かして、あっせん手続きにより迅速で低コストな解決を図ります。ただし、特定社労士になるためには、厚生労働大臣が定める研修を修了し、「紛争解決手続代理業務試験」に合格する必要があります。そして、その後、社会保険労務士名簿に特定社労士として登録する必要があります。

社会情勢の変化に伴い、労働保険や社会保険の制度はますます複雑化し、適用や給付をめぐる国民と行政のトラブルも増加しています。このようなトラブルは、労働社会保険の各法律や行政不服審査法に基づく審査請求によって解決されますが、その結果に不服がある場合は裁判によって解決されることになります。

同様に、個別労働関係紛争においても、職場のトラブルを企業内で解決できない場合があります。この場合、依頼者が裁判による解決を望むこともあります。特定社労士は、労働保険や社会保険に関するトラブルの解決に専門的な知識を持ち、お客様の立場に立った円満な解決をサポートします。